2025.06.07
リフォームやリノベーションの資金をどうやって準備するかは、多くの方が悩むポイントです。特に、「リフォームローン」と「住宅ローン」のどちらを選べば安心して手続きを進められるのか、迷われるのも自然なことだと思います。金利や借入可能な金額、審査の内容、返済期間、控除の有無など、検討すべき点がいくつもあるからです。
この記事では、リフォームローンと住宅ローンの違い比較しながら、それぞれのメリットとデメリット、そして選び方のコツを解説しています。実際の返済額や審査基準についても具体的に触れていきますので、ローン選びで迷っている方にとって、納得できる判断材料を見つけていただけるはずです。
目次
リフォームやリノベーションを計画するとき、「リフォームローン」と「住宅ローン」の違いがよく分からず、どちらを選んだらよいか迷う方も多いのではないでしょうか。それぞれの特徴や仕組みをきちんと理解しておくことで、ご自身に合ったローンの選択につながります。ここでは、両者の基本的な特徴と違いについて分かりやすくまとめました。
リフォームローンには大きく分けて「無担保型」と「有担保型」、そしてリフォーム会社が提携している「ファイナンス系ローン」の3種類があります。
いずれも団体信用生命保険(団信)は任意か加入できないケースが多く、返済期間も10~15年程度と比較的短めです。
原則として購入・所有する自宅などを担保に入れる必要があり、その分、低金利(0.5%~2%程度)、長期間(最長35年)の返済が可能です。借入額も数千万円単位まで対応できるので、住宅そのものの建築や大規模な改修に向いています。
団体信用生命保険の加入が原則必須となっているため、万が一のときにも安心して利用できるのが特徴です。さらに住宅ローン控除(年末残高の0.7%を所得税・住民税から控除)など税制優遇が受けられる点も魅力です。
ただし、審査はリフォームローンより厳しく、年収や勤務先、勤続年数、他の借り入れ状況、信用情報などが総合的に見られます。申請時には多くの書類や手続きが必要になり、融資実行までやや時間がかかります。
リフォームローンと住宅ローンの違いを一目で分かるように、主な比較ポイントをまとめました。
項目 | リフォームローン | 住宅ローン |
---|---|---|
主な用途 | リフォーム・修繕(部分的な改装~中規模リフォーム) | 住宅購入・新築・大規模リフォーム |
種類 | 無担保型/有担保型/ファイナンス系ローン | 住宅購入用/リフォーム一体型/借り換え型 |
担保 | 無担保型:不要 有担保型:必要 | 必要(自宅や土地を担保に設定) |
金利 | 2%~5%(有担保型は1.5%前後も) | 0.5%~2% |
借入限度額 | 無担保型:~1,000万円 有担保型:~5,000万円 | 1,000万円~2億円程度 |
返済期間 | 最長10~15年(有担保型で長期も可能) | 最長35年 |
審査 | 柔軟(無担保型はスピーディー) | 厳しい(年収・勤務先・勤続年数等を重視) |
団体信用生命保険 | 任意または不可 | 原則必須 |
諸費用・手数料 | 比較的少ない(事務手数料3~8万円程度) | 多い(保証料・登記費用・印紙代など) |
控除や優遇措置 | 原則対象外(税制優遇なし) | 住宅ローン控除あり |
一般的に、500万円未満の小規模リフォームはリフォームローン、500万円以上の大規模リフォームは住宅ローンを検討するケースが多くなっています。
住宅ローンは金利や控除のメリットが大きい一方、審査や手続き、初期費用が増えるため、工事の規模や目的に応じて使い分けるのがおすすめです。
リフォームローンと住宅ローンには、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。金利や借入期間、審査の柔軟さなど、何を重視するかによって選び方も大きく変わってきます。
リフォームローンは、少額の修繕や部分的なリフォーム、急ぎの工事などに特に利用されることが多い商品です。
住宅ローンよりも申込みや審査のハードルが低い一方、金利や返済期間などに注意したいポイントもあります。
住宅ローンは、住宅の購入や新築、大規模なリフォームや増改築など、まとまった資金が必要な時に選ばれています。
金利や返済期間、税制優遇の面で大きなメリットがありますが、申込みや審査に一定のハードルもあります。
リフォームの内容や費用によって、どちらのローンが適しているかも異なります。ここでは、リフォームの金額を目安に、それぞれのローンの向き不向きを整理しました。
少額リフォーム(目安:500万円未満)
キッチンや浴室の改修、外壁補修、設備の入れ替えなど比較的規模の小さい工事はリフォームローンが便利です。手続きが早く、審査も柔軟なので急ぎの工事や細かなリフォームにも対応しやすいです。また、リフォーム会社の提携ローンや金利優遇キャンペーンを活用できることもあります。
高額リフォーム(目安:500万円以上)
増築やフルリノベーションなど、費用が大きくなる場合は住宅ローンが有利です。金利が低く返済期間も長いため、毎月の返済負担を抑えられます。住宅ローン控除や団信のメリットも受けやすく、資産形成の観点からも選ばれるケースが増えています。ただし、審査や手続き、初期費用はしっかり把握しておくことが大切です。
有担保型リフォームローンは、まとまった資金や長期返済が必要な場合に選択肢となります。
審査に不安がある場合や急ぎの場合は、複数社へ仮審査・相談してみるのも有効です。
どちらのローンも、繰上げ返済や途中返済の条件・手数料は必ず事前に確認しましょう。
リフォームローンと住宅ローンは、金利や返済期間、審査基準、さらには保障内容にまで違いがあります。どちらを選ぶかによって、将来の家計負担や返済計画も大きく変わってきます。
ここでは、両者の金利や総返済額、返済期間の特徴、審査の通りやすさや団体信用生命保険(団信)の違いについて、注意点やワンポイントも交えて詳しく解説します。
金利はローン選びで最も気になるポイントのひとつです。
リフォームローンは無担保型で年2%~5%程度、有担保型であれば1.5%前後まで下がる場合もあります。一方、住宅ローンは年0.5%~2%程度とかなり低めの水準が一般的です。
この金利差は、同じ借入額・返済期間でも総返済額に大きな違いを生みます。
たとえば、500万円を10年借りた場合、金利1%と3%では50万円以上返済総額が変わることもあります。借入額が大きくなるほど、その差はさらに広がります。
また、住宅ローンには「住宅ローン控除」などの税制優遇が適用される場合もあり、実質的な負担を減らすことができます。
【ワンポイント】
金融機関や時期によっては、リフォームローンも住宅ローンも金利優遇キャンペーンが実施されることがあります。契約前に各社の最新情報や提携ローン、金利優遇の有無も比較してみましょう。
返済期間は、月々の返済額や無理のない返済計画に大きく影響します。
住宅ローンは「ボーナス返済」や「繰上げ返済」など、返済プランの選択肢も多彩です。リフォームローンでも繰上げ返済は可能なことが多いですが、金融機関によっては手数料がかかったり、一部繰上げができない商品もあるため、事前の確認が重要です。
【ワンポイント】
繰上げ返済や一部返済の手数料・条件は商品ごとに異なります。将来的な返済プランも含めて比較しましょう。
審査の難易度や、ローン利用中の万が一に備える保障内容も重要な比較ポイントです。
団体信用生命保険(団信)の扱いも両者で大きく違います。
住宅ローンは原則として団信加入が必須となり、契約者に万が一のことがあった場合、残りのローン残高が完済されるという安心感があります。オプションで「がん団信」「三大疾病団信」など保障内容を拡充できる商品もあります。
リフォームローンは団信が任意、もしくは付帯できない場合も多く、加入希望の場合は商品ごとの条件確認が必要です。
【ワンポイント】
住宅ローンの団信は民間の保険と重複する場合もあるので、保険内容の見直しも忘れずに。
また、保障の内容や対象範囲は金融機関によって異なるため、しっかり比較して選ぶことが大切です。
リフォームローンと住宅ローンにはそれぞれ特徴があり、「どちらが自分に合っているのか」と迷う方は多いはずです。選び方のポイントは、借りたい金額やリフォームの内容、申込時の年齢、今後のライフプランなど人によって異なります。
ここでは「損しない」ための判断基準や分岐点、よくある疑問への回答まで、実際に役立つ視点で詳しくまとめました。
どちらのローンが向いているかは、いくつかの視点を組み合わせて考えると分かりやすくなります。
リフォームローンと住宅ローンの使い分けでよく言われる「500万円」が、現実的な分岐点となる理由を整理します。
ローン選びで失敗や後悔を防ぐため、以下の項目を一つずつチェックしましょう。
Q. リフォーム費用は住宅ローンに含められますか?
A. 「リフォーム一体型」や「借り換え+リフォーム費用上乗せ型」の住宅ローンを利用すれば、リフォーム費用も住宅ローンにまとめて借りることができます。ただし、金融機関ごとに条件や必要書類が異なるため、事前の相談・確認が必要です。
Q. 住宅ローン控除はリフォームにも使えますか?
A. 大規模なリフォームや増改築など、一定の条件を満たす場合には住宅ローン控除の対象となります。主な条件は工事規模・自宅用・登記・耐震性能などです。適用要件は金融機関や税務署に確認しましょう。
Q. 途中で繰上げ返済はできますか?手数料は?
A. 住宅ローンもリフォームローンも繰上げ返済が可能な場合が多いですが、手数料や返済方法の条件は商品ごとに異なります。繰上げ返済や一部返済の手数料、返済タイミングも比較・確認しておくと安心です。
Q. 審査に落ちた場合はどうしたらいい?
A. リフォームローンで落ちた場合は、ファイナンス系(リフォーム会社提携)や有担保型、別の金融機関で申込み直す方法もあります。また、親子リレーローンやペアローンなど、家族と協力して借りる特殊な方法も一部金融機関で対応しています。審査内容や希望金額を見直しながら柔軟に相談しましょう。
Q. 団信(団体信用生命保険)は絶対に必要ですか?
A. 住宅ローンでは原則団信加入が必須ですが、リフォームローンは任意や付帯できない場合もあります。保障内容は商品や金融機関によって異なるため、希望があれば必ず事前に条件を確認してください。
補足アドバイス
迷ったときや複雑に感じた場合は、リフォーム会社や金融機関の担当者に気軽に相談しましょう。仮審査や無料相談を活用して、自分に合った最適なローン選びを進めるのがおすすめです。
この記事では、リフォームローンと住宅ローンの違いや、それぞれのメリット・デメリット、失敗しない選び方について詳しく解説しました。
ここまで読んでいただくことで、「自分にはどちらのローンが合っているのか」「損をしないための選び方はどうすればいいか」という疑問や不安が解消できたのではないでしょうか。
リフォームや住宅の資金計画を具体的に進める際は、複数の金融機関やリフォーム会社に相談し、仮審査や比較シミュレーションを活用してみましょう。
実際に条件を比べることで、自分に合ったローンが見つけやすくなります。迷った時は、専門家や担当者にも気軽に相談して、納得できるローン選びを目指しましょう