2024.04.08
住まいの快適さを左右する大きな要素の一つが、「窓」からの断熱性です。
冬の寒さや夏の暑さを家の中に招き入れてしまう古い窓は、生活を不快にするだけでなく、光熱費の無駄遣いの原因ともなりますよね。
そんな日常の悩みに、思わず頷いてしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。
先進的窓リノベ2024事業があなたの住まいを、より快適で省エネルギー効率の高い空間に変えるお手伝いをします。
この記事でわかること
・先進的窓リノベ2024事業の概要と利用方法
・リフォームの具体的なメリット
・対象となるリフォーム工事の具体例と実際の事例紹介
窓からの風が家の中の温度を大きく左右すること、皆さんはご存じでしょうか?
冬の寒さや夏の暑さを和らげ、光熱費を節約するためには、窓の断熱性が非常に重要です。
ここで注目したいのが、「先進的窓リノベ2024事業」です。
この事業を利用することで、私たちの住まいはどのように変わるのでしょうか?
先進的窓リノベ2024事業は、国土交通省、経済産業省、環境省が連携して進める「住宅省エネ2024キャンペーン」の一環です。
先進的窓リノベ2024事業は、既存住宅の窓やドアを高断熱のものに改修することで、住宅の省エネ効果を高めることを目的とした補助金事業です。
この制度は、日本政府が推進する省エネルギー政策の一環として設けられました。
予算規模は1,350億円(令和5年度補正予算)にのぼり、一戸あたり最大200万円の補助金が支給されます。
先進的窓リノベ2024事業の主な目的は、家庭からのCO2排出量を削減し、地球温暖化対策に貢献することです。
また、夏の冷房費や冬の暖房費の削減にも繋がり、家計に優しい住環境を提供します。
さらに、快適な室温を保つことで、住む人の健康や生活の質の向上にも寄与するとされています。
2024年度の事業は、2023年度に比べて予算規模が350億円増の1,350億円に拡大されました。
これにより、より多くの家庭が補助の恩恵を受けることが可能になっています。
予算の増額は、断熱リフォームを促進し、より多くの家庭が快適で省エネルギーな住環境を実現できるようにするためです。
また、先進的窓リノベ2024事業補助金の対象リフォームの範囲も拡大され、申請手続きの簡素化が図られています。
快適な住環境を実現するためのリフォームは、多くの家庭にとって大きな投資です。
しかし、先進的窓リノベ2024事業の補助金を活用すれば、その負担を大きく軽減することが可能です。
ここでは、先進的窓リノベ2024事業補助金の額と、どのようなリフォームが対象となるのかを詳しく解説します。
先進的窓リノベ2024事業の補助金は、住宅における開口部(窓)の断熱性能を向上させるリフォームを計画している方が対象です。
先進的窓リノベ事業補助対象事業 | 対象者 |
---|---|
開口部(窓)の断熱改修 (リフォーム) | 工事発注者 |
住宅とは?
本事業において住宅とは、人の居住の用に供する家屋をいいます。
※以下に該当する建物や居室の窓は、原則、補助対象となりません。
①不動産登記や固定資産の課税において、住宅以外の用途に分類される
②(①が住宅であっても)現に住宅以外の用途に使用している(店舗や施設等)
「先進的窓リノベ2024事業」では、補助金の額は窓の熱貫流率(Uw値)に応じて決定されます。同じ窓製品であっても、選ぶガラスのタイプや窓枠によって補助金の金額が変わる可能性があるため、この点を注意してください。
種類 | ガラス交換 | 内窓設置 | 外窓交換 (カバー工法) | 外窓交換 (はつり工法) |
---|---|---|---|---|
戸建住宅または 低層集合住宅(3階建て以下) | 熱貫流率 Uw1.9以下 | 熱貫流率 Uw1.9以下 | 熱貫流率 Uw1.9以下 | 熱貫流率 Uw1.9以下 |
中高層集合住宅 (4階建て以上) | 熱貫流率 Uw1.9以下 | 熱貫流率 Uw1.9以下 | 熱貫流率 Uw2.3以下 | 熱貫流率 Uw1.9以下 |
熱貫流率とは…
熱貫流率は、2つの流体間で壁などの障壁を介して熱が移動する際の伝熱のしやすさを数値化したものです。この値は、屋根、天井、外壁、窓、玄関ドア、床、土間など様々な建築部分でU値として知られています。数値が低ければ低いほど、熱の伝達を抑える効果が高く、その結果、優れた断熱性を持つ材料であると評価されます。
先進的窓リノベ2024事業補助金の額は、リフォームの種類、窓の性能と大きさ、設置方法に応じて定額で設定されています。
一戸あたり5万円から最大200万円までの補助が受けられます。
1申請あたりの合計補助額が50,000円未満の場合は申請することができません。
補助対象となる窓は、先進的窓リノベ2024事業の性能要件を満たす製品に限られます。
窓のリフォーム方法の中でも、特にコストを抑えることができるとされるのが、「ガラス交換」です。これは、窓の障子や枠を変えずに行うものです。
単に既存のガラスを同種類のものに交換するだけではなく、特定のアタッチメントを使用して単層ガラスを複層ガラスへ変更することも可能です。
これにより、断熱性や防犯性などの機能を向上させることができます。
ガラス交換の補助金額
サイズ | SS(熱貫流率:Uw1.1以下) | S(熱貫流率:Uw1.5以下) | A(熱貫流率:Uw1.9以下) |
---|---|---|---|
大 | 55,000円 | 36,000円 | 30,000円 |
中 | 34,000円 | 24,000円 | 19,000円 |
小 | 11,000円 | 7,000円 | 5,000円 |
「内窓」設置は、既存の窓の室内側に別の窓を追加するリフォーム方法で、しばしば二重窓とも称されます。
この手法の特徴は、二枚の窓の間に空気の層が生まれることで、高い断熱効果を発揮します。
その結果、他の窓リフォームオプションと比較して、より優れた断熱性を提供し、非常に人気があります。
内窓設置の補助金額
サイズ | SS(熱貫流率:Uw1.1以下) | S(熱貫流率:Uw1.5以下) | A(熱貫流率:Uw1.9以下) |
---|---|---|---|
大 | 112,000円 | 68,000円 | 52,000円 |
中 | 76,000円 | 46,000円 | 36,000円 |
小 | 48,000円 | 29,000円 | 23,000円 |
「外窓交換(カバー工法)」は、既存の窓枠を残したまま、その上に新しい窓を設置するリフォーム手法を指します。
この方法では、サッシが一つのセットとして取り付けられるため、頻繁に開閉する必要がある掃出し窓などに適しています。
また、外壁に手を加えずに断熱性を向上させたいと考えている方々からの支持を集めています。
外窓交換(カバー工法)の補助金額
■戸建住宅または低層集合住宅(3階以下)
サイズ | SS(熱貫流率:Uw1.1以下) | S(熱貫流率:Uw1.5以下) | A(熱貫流率:Uw1.9以下) |
---|---|---|---|
大 | 220,000円 | 149,000円 | 117,000円 |
中 | 163,000円 | 110,000円 | 87,000円 |
小・極小 | 109,000円 | 74,000円 | 58,000円 |
■中層集合住宅(4階建て以上)
サイズ | SS (熱貫流率:Uw1.1以下) | S (熱貫流率:Uw1.5以下) | A (熱貫流率:Uw1.9以下) | B (熱貫流率:Uw2.3以下) |
---|---|---|---|---|
大 | 266,000円 | 180,000円 | 148,000円 | 102,000円 |
中 | 181,000円 | 122,000円 | 101,000円 | 70,000円 |
小・極小 | 112,000円 | 75,000円 | 62,000円 | 43,000円 |
「外窓交換(はつり工法)」では、新しいサッシを設置するために壁や床の一部を削ったり切り取ったりすることで、サッシそのものを全面的に交換します。
この手法は、外壁の張り替えや、窓のサイズを現在のものと同じに保ちたい場合に選ばれることがあります。
外窓交換(はつり工法)の補助金額
■戸建住宅または低層集合住宅(3階以下)
サイズ | SS(熱貫流率:Uw1.1以下) | S(熱貫流率:Uw1.5以下) | A(熱貫流率:Uw1.9以下) |
---|---|---|---|
大 | 183,000円 | 118,000円 | 92,000円 |
中 | 136,000円 | 87,000円 | 69,000円 |
小・極小 | 91,000円 | 59,000円 | 46,000円 |
■中層集合住宅(4階建て以上)
サイズ | SS(熱貫流率:Uw1.1以下) | S(熱貫流率:Uw1.5以下) | A(熱貫流率:Uw1.9以下) |
---|---|---|---|
大 | 266,000円 | 180,000円 | 148,000円 |
中 | 181,000円 | 122,000円 | 101,000円 |
小・極小 | 112,000円 | 75,000円 | 62,000円 |
改修を行う住戸のドアについては事務局に対象商品として登録されたものに限り、補助の対象となります。
※掲載画像は先進的窓リノベ事業公式ホームページより引用
先進的窓リノベ2024事業を利用して、住宅の断熱性を向上させたいと考えている方は、補助金の申請期間と正しい申請手続きを理解することが重要です。
ここでは、先進的窓リノベ2024事業が実施される期間と、その補助金を申請するための具体的な方法について詳しく説明します。
先進的窓リノベ2024事業の補助対象となる工事は、
2023年11月2日以降に着手され、2024年度内に完了するものです。
交付申請の受付は2024年3月29日から開始され、予算の上限に達するか、遅くとも2024年11月30日までです。
ただし、補助金の予算が上限に達した場合、予定より早く申請受付が終了する可能性があるため、早めの申請が推奨されます。
先進的窓リノベ2024事業の申請の流れは以下になります。
先進的窓リノベ2024事業の補助金申請に際しては、リフォーム業者がほとんどの手続きを代行してくれます。
しかし、お客様自身が用意し、提供する必要がある書類もあります。
ここでは、お客様が準備する必要のある主な書類について説明します。
■お客様が準備する書面
■リフォーム会社が準備する書類
先進的窓リノベ2024事業を利用して、お家の快適さを一新しようと考えている方々へ。
補助金を申請する際には、いくつか押さえておくべき重要な注意点があります。
知っておくと役立つこれらのポイントをご紹介しますので、リフォーム計画を立てる際の参考にしてください。
先進的窓リノベ2024事業の補助金は、「先着順」での申請受付となります。
予算には限りがあり、想定よりも早く予算上限に達する可能性があるので、計画を立てているなら早めの行動が吉です。
窓のリフォームに関する国からの補助金はいくつか提供されていますが、特定の窓に対して複数の補助金を同時に適用することは認められていません。
たとえば、「子育てエコホーム支援事業」のように、窓リフォームを補助の対象としている補助金があります。
しかし、この事業と先進的窓リノベ2024事業の補助を同一の窓に対して重複して受けることはできません。
ただし、異なるリフォーム箇所に関しては、先進的窓リノベ2024事業以外の補助金を利用することが可能な場合もあるため、計画段階での注意が必要です。
補助金を受けたリフォームを行った住宅については、補助金の交付決定後10年間は、その住宅を売却したり、他人に貸し出したりすることが制限されます。
この期間内に処分や貸付を行うと、先進的窓リノベ2024事業補助金が返還対象となる可能性があるので注意が必要です。
先進的窓リノベ2024事業の補助金は、居住用の住宅に対するリフォームが対象です。
そのため、店舗や事務所、その他の商業用途の建物は、この先進的窓リノベ2024事業補助金の対象外となります。
自宅兼用オフィスなど、用途によっては条件が異なる場合もあるため、申請前に確認が必要です。
これらの注意事項を心に留めて、計画を進めれば、トラブルを避けてスムーズにリフォームを実現できるはずです。
何か不明点があれば、申請を代行するリフォーム業者や、事業を運営する機関に相談してみましょう。
この記事では、先進的窓リノベ2024事業について、その概要から具体的な申請方法、さらには注意事項までを詳しく紹介しました。
先進的窓リノベ2024事業の目的と概要:
この事業は、住宅の窓リフォームを通じて断熱性を向上させ、省エネ効果を高めることを目的としています。
補助金の提供を通じて、快適な住環境の実現とエネルギー消費の削減を目指します。
補助金の申請方法:
補助金の申請は、認定されたリフォーム業者を通じて行われます。
消費者は、適切な業者を選び、リフォーム計画を相談した上で、申請プロセスを進める必要があります。
注意事項:
重要な注意点として、他の補助金との重複受給ができないこと、補助金を受けた窓がある住宅は10年間売却や貸し出しが制限されることが挙げられます。
また、この補助金は居住用の住宅に限られ、店舗や事務所などの商業施設は対象外です。
補助金を活用してリフォームを行うことで、光熱費の削減だけでなく、住み心地の良い家を手に入れることができます。
計画的に申請を進め、ルールを守りつつ、この機会を最大限に利用しましょう。
リフォーム後は、より快適な住環境での生活を楽しむことができるでしょう。