リノベーションで固定資産税はどう変わる?影響する工事や注意点を解説

リノベーションで固定資産税が上がるのではないか、と不安に思われる方が多くいらっしゃいます。結論から言うと、大半のリノベーションでは固定資産税は変わりません。
一部で税額が上がる工事や、逆に減税措置で下がる工事もあるため、正しい知識を身につけることで損をしないリノベーション計画を立てることができます。
本記事では、リノベーションで固定資産税がどう変わるのか、影響を与える工事や与えない工事、注意点について解説しておりますので、リフォームやリノベーションをご検討中の方はぜひ参考にしてください。
- 目次
- 1.リノベに関わる固定資産税の仕組みとは?
- 2.リノベで固定資産税が変わらないケース
- 3.リノベで固定資産税が上がるケース
- 4.リノベで固定資産税が下がるケース
- 5.ほかの優遇制度との併用
- 6.よくある質問(FAQ)
- 7.まとめ
リノベに関わる固定資産税の仕組みとは?

そもそも固定資産税がどのような仕組みかご存じでない方も多いのではないでしょうか?ここでは、リノベに関わる固定資産税の仕組みについて解説します。
固定資産税の計算方法
固定資産税の金額は、物件価格や工事費用そのものではなく、国が定める固定資産税評価基準に基づいて自治体が評価した「固定資産税評価額」を基準に算出されます。計算式は以下の通りです。
固定資産税=課税標準額×1.4%(標準税率)
※標準税率は1.4%ですが、自治体によって異なる税率が設定されている場合があります。
リノベーションをすることで固定資産税が上がる・下がると言われているのは、この課税標準額に影響する「建物の評価額」が見直されるかどうかにあります。
固定資産税評価額の仕組み
固定資産税評価額は再建築価格方式という独特の計算方法で決定されています。大まかな仕組みは、「今、その家を全く同じ材料で建て直したらいくらかかるのか」という金額を算出し、そこに築年数による価値の低下を掛け合わせて計算されます。
年数が経つごとに価値が徐々に下がっていくことを、専門用語で「経年減点補正率」と呼びます。木造住宅の場合、築20~25年程度で新築時の約20%まで下がり、以後は底値で据え置きとなります。
しかし、戸建て住宅で新築同様の大規模リノベーション(スケルトンなど)をする場合は、新しく交換した最新設備が加点されるだけでなく、下がっていた評価のベース自体が引き上げられて再評価されるため、固定資産税が再び上がることがあります。
※なお、リノベーションをしなくても、近年のように建築資材などの物価が急激に高騰した場合は、3年に一度の税額見直し(評価替え)のタイミングで評価額が下がらず据え置きとなるケースもあります。(家屋の評価額は、物価高騰があっても前年度の評価額を超えることは法律上ありません。)
自治体がリノベーションを把握するきっかけとは?
自治体はどうやってリノベーションをしたことを把握するのかと疑問に思う方も多いでしょう。自治体は主に以下の方法で建物の変化を把握しています。
〇建築確認申請や登記情報
増築や主要構造部に及ぶ大規模な修繕・模様替えなど、法令に基づく手続きが行われた際に把握されます。
〇航空写真や巡回による差分チェック
多くの自治体では定期的に航空写真を撮影し、過去のデータと照合して「屋根の形が変わっていないか」「建物が広がっていないか」を確認しています。
そのため、申請を出さなければ把握されないということはなく、外形が変わるような工事はしっかりと自治体に把握され、家屋調査が行われます。
逆に言えば、建物の外形や主要な構造を変えない「内装の一新」や「設備の交換」などは、自治体が再評価を行う基準に該当しないケースが多いため、リノベーションによって固定資産税が上がる可能性は極めて低いのが一般的です。
※固定資産税の評価基準や家屋調査の運用は自治体ごとに細部が異なる場合があります。工事内容による税額への影響が気になる場合は、事前に市区町村の資産税課窓口へ確認しておくと確実です。
リノベで固定資産税が変わらないケース

リノベーションによる固定資産税の影響は、上がる・下がるだけでなく、税額が変わらないケースも多くあります。ここからは、リノベで固定資産税が変わらないケースについて解説します。
なぜ大半のリノベーションで固定資産税は変わらないのか?
実は、一般的なリノベーションの大半では固定資産税は変わりません。
固定資産税は、毎年1月1日時点の家屋の状況に基づき課税されます。壁紙の張り替えや設備の交換などの一般的な工事は、建物の寿命を延ばすための維持保全(修繕)とみなされるため、税制上、評価額が見直される対象にはならないからです。
建物の基本的な骨組みや規模を維持したリノベーションであれば、税額はそのまま据え置きとなります。
固定資産税が変わらない具体的な工事内容
以下のような工事は、建物の評価額に影響を与えないため、固定資産税が上がる心配はありません。
〇壁紙やフローリングの張り替え
〇キッチンやお風呂、トイレなど水回り設備の交換
〇柱や梁などの構造躯体に影響しない間仕切壁の撤去・新設
〇外壁や屋根の塗装を含めたメンテナンス
また、マンションリノベーション(専有部)は建物の骨組みや規模が変わらないため、固定資産税は変わりません。
リノベで固定資産税が上がるケース

先述の通り、一般的なリノベーションの大半では固定資産税は変わらないのですが、上がる工事もあります。ここでは、リノベで固定資産税が上がるケースについて解説します。
固定資産税が上がる工事内容とは?
固定資産税が上がる工事内容は以下の通りです。
〇増築工事
増築の規模に関わらず、増築工事を行う場合は延べ床面積が増えるため、その分家屋の評価額が加算されます。増築工事には、通常の居室の増改築だけでなくサンルームなども該当するため注意が必要です。
※建築確認申請が不要となる「10㎡以内の増築」であっても、固定資産税の計算上は面積が増えた分だけ課税対象となります。
※増築により床面積が変更となった場合は、工事完了後1か月以内に「建物表題部変更登記」を行う法律上の義務があります。
〇スケルトンリノベーション
戸建てでは柱や梁などの構造躯体だけを残し、大規模な補修・補強・作り替えを行う(スケルトンリノベーション)場合、先述の通り新しく交換した最新設備が加点されるだけでなく、下がっていた評価のベース自体が引き上げられて再評価されるため、固定資産税が再び上がることがあります。
〇住宅から店舗や事務所への用途変更
用途が住宅の場合と、店舗や事務所の場合では建物の評価基準(評点基準)が異なり、一般的に事業用建物の方が評価額が高くなる傾向があります。
また、用途変更を行うと土地部分に対して、住宅用地の特例(土地の固定資産税が最大1/6に軽減される特例)が適用外となるため、結果として土地の固定資産税が大幅に上がることにつながります。
※店舗併用住宅にする場合、居住割合に応じて減額幅が変動します。
固定資産税が上がることは損なのか?
固定資産税が上がることで支出が増え、デメリットととらえる方も多いかと思いますが、メリットとなることもあります。固定資産税が上がるメリットとデメリットは以下の通りです。
〇メリット
固定資産税の上昇は、建物の寿命や安全性が再生された証拠です。築年数にとらわれない確かな性能が公的に裏付けられるため、金融機関の担保評価においてプラスに働く可能性があるほか、将来売却する際にも建物の適正な維持管理が評価されやすくなります。
〇デメリット
評価額が上がれば、住み続ける限り毎年の税負担が増加します。また将来売却する際、年間の維持費をできるだけ抑えたい購入希望者にとって、維持コストが高い物件と見なされ、敬遠されるリスクがあります。
固定資産税が上がることを損だけだととらえるのではなく、住まいの安全性や快適性、資産価値の向上などのメリットにも目を向け、全体のバランスを考えた資金計画を立てることが大切です。
リノベで固定資産税が下がるケース

リノベーションの内容によっては固定資産税が下がることもあります。ここでは、リノベで固定資産税が下がるケースについて解説します。
固定資産税が減額される4つの対象工事
固定資産税が減額される工事は大きく以下の4つとなります。
〇耐震リノベーション
昭和57年1月1日以前に新築された物件で、現行の耐震基準に適合する耐震改修工事を行った場合、翌年度分の固定資産税の2分の1が減額されます。(1戸当たり120㎡相当分まで)
〇省エネリノベーション
平成26年4月1日以前に新築された物件で、一定の熱損失防止改修工事(省エネ改修工事)を行った場合、翌年度分の固定資産税の3分の1が減額されます。(1戸当たり120㎡相当分まで)
〇バリアフリーリノベーション
新築されてから10年以上が経過した物件で、65歳以上の方・要介護(要支援)認定者・障害のある方のいずれかが居住しており、一定のバリアフリー改修工事を行った場合、翌年度分の固定資産税の3分の1が減額されます。(1戸当たり100㎡相当分まで)
〇長期優良住宅化リノベーション
一定の耐震改修工事または一定の省エネ改修工事を行い、増改築による長期優良住宅の認定を取得した場合、翌年度分の固定資産税の3分の2が減額されます。(1戸当たり120㎡相当分まで)
※減税措置の対象となるのは「家屋(建物)部分にかかる固定資産税のみ」です。土地の固定資産税や都市計画税は減額の対象外となります。
減額の適用を受けるための要件
それぞれ減額の適用を受けるためには要件を満たす必要があります。例えば耐震リノベーションの場合、新築時期のほかに、耐震改修費用が50万円(税込)を超えていること、省エネリノベーションでは窓の断熱工事が必須であることなどの詳細な工事要件が定められています。
また、4つとも工事完了日から3か月以内に必要書類を準備し、当該物件が所在する市区町村の窓口に提出する必要があります。該当するリノベーションを行う場合は、事前に必要書類を確認し、工事完了前から準備しておきましょう。
ほかの優遇制度との併用

固定資産税の減税措置だけでは、工事全体の費用負担を抑えるには限界があります。しかし、国や自治体の優遇制度を組み合わせることで、最大限お得にリノベーションをすることができます。ここでは、ほかの優遇制度との併用について解説します。
国や自治体の補助金制度
みらいエコ住宅2026事業や先進的窓リノベ2026事業などが該当します。対象となる工事部位が重複しなければ併用可能なため、補助金との併用でリノベーション全体の費用を抑えることができます。
ただし、前述した固定資産税減額を受けるための要件の一部に工事費の条件がありますが、補助金を併用する場合、実際の工事費から補助額を差し引いた金額がその工事費の要件を満たしていないといけないため、注意が必要です。
※補助金事業の名称や内容は年度によって変更される場合があります。
所得税の減税制度
一定の要件を満たす工事を行うことで、所得税の控除(リフォーム促進税制)を受けることができます。また、住宅ローン(リフォームローン含め)を組む場合、住宅ローン減税も受けられます。
リフォーム促進税制と住宅ローン減税は、同一の改修工事部位について重複して利用することはできず、原則としてどちらか一方を選択して適用する点に注意が必要です。
※ただし耐震改修工事に限り、例外的に住宅ローン減税との併用が認められています。
よくある質問(FAQ)

Q.固定資産税が安くなる減税措置は、いつまで(何年間)続きますか?また、減税措置は1度きりしか使えないですか?
A.減税が適用される期間は、工事完了の翌年度1年間限定となります。また、減税措置の利用は原則として「1戸につき1回限り」です(同じ減税措置を複数回受けることはできません)。
なお、異なる工事を組み合わせる場合、「省エネ改修」と「バリアフリー改修」は同時に工事を行えば併用して両方の減税を受けることが可能です(※耐震改修との併用はできません)。
※減税制度全体の適用期限は税制改正によって随時見直されますので、最新情報をご確認ください。
Q.スケルトンや増築で固定資産税が「上がる」場合、実際いくらくらい高くなりますか?
A.工事内容によりますが、一般的な一部屋分(6~8帖程度)の増築であれば、年間でおよそ1万~3万円程度のアップが目安です。何十万円も跳ね上がるケースはまれで、スケルトンリノベーションでも新築満額の税額にはなりません。
月額数千円程度で耐震性や快適性が手に入ると思えば、過度な負担ではないと言えます。
※上記の金額は一般的な目安であり、建物の構造、使用する資材、自治体の評価基準によって実際の税額は異なります。
Q.庭にカーポートや物置、ウッドデッキをつけると税金は上がりますか?
A.柱と屋根だけの一般的なカーポートやウッドデッキなら原則として税金は上がりません。例外として、屋根や壁で囲まれたサンルーム(テラス囲い)や、3方向以上を壁に囲まれたガレージ・カーポートは、家屋(独立した建物または増築)として課税対象となります。
また、基礎工事が伴う大型物置の設置も、土地定着性の観点から課税対象となります。逆に、ブロックなどの上に設置する一般的な小型物置の場合は土地へ定着していないことになり、課税対象から外れます。
まとめ

本記事では、リノベーションで固定資産税がどう変わるのか、影響を与える工事や与えない工事、注意点について解説しました。
固定資産税の仕組みやリノベーションとの関係性を理解することで、自身にとって損をしないリノベーションを実現することができます。
悠悠ホームのリノベでは、「リノベで叶える、ひとつ上の暮らし。」を提供するため、お求めやすい、こだわりやすい、暮らしやすい、この三つの価値を大切にリノベーションをおこなっておりますので、お困りなことやご不安なことがございましたらお気軽にご相談ください。
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